学校に行けなくなってしまった中学二年生の夏、落ちこぼれのレッテルを貼り付けたのは紛れもなく両親だった。誰にいじめられるより、不気味な顔をされるより、陰口を叩かれるより痛かった。もう娘として、家族の一員として扱ってもらえないんじゃないか、って不安を常に抱えていた。家族との食事で会話に入れなくなって、寂しさを埋めるために自傷行為をしたら「異常だ」と病人扱いを受けて、親と隔離して暮らさなきゃいけない、と強制入院を強いられた。全部私が決めたんじゃない。全部大人が決めたのだ。

 

入院中はどうも悲しくて売店で鋏を買っては同じように腕を切りつけた。味気のない飯をそこそこに食べて、精神安定剤を飲んで寝る夜は寝苦しかった。首を絞められたり逃げ道のない部屋に閉じ込められる夢を見ながら一向に回復しない精神状態のまま学校復帰のために退院した。特に何も変わらなかった。私が幼いと言われる理由、私は未だにこの頃のままだからなのかもしれない。