家を出る日までのカウントダウンが始まった。そしたら、ふと、心が軽くなって、我慢する必要がないことに気がついて、夜中の三時過ぎから冷房をガンガンに入れて寝ていた。最低だ。

飲み残したチューハイの缶を今朝、いつもと同じ駅前のゴミ箱に投げ入れて、ごめんね、と呟いた。適当な私に買われて適当に飲まれてしまって適当なゴミ箱に棄てられるなんてかわいそう。私の方が余程ゴミなのに。

私に気づかれないように、昨日も今日も母親は私の部屋に勝手に入り込んで漁っていた。バレてるよ、と後ろからどついて脅かしてやろうかと思った。虚しい気持ちになった。きっと何年も前から日常的にやっているんだろう。貰い物のカートンの煙草ぐらいしかないのに。

目を半分閉じたまま歩く廊下は蒸し暑くて最悪だった。